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空戦魔導士候補生の教官(4) 感想

ランキング戦の試合で珍しくミスをするリコ。試合にも負けてしまい、その後の反省会では、言い訳をするでも誰のせいにするでもなく、小隊間に気まずい空気が流れる。
一方、教皇浮遊都市《べベル》から「最新鋭の大型飛行艇が《ミストガン》の予定航路付近で消息を絶ったので調査してほしい」という「特Aランク」の指令書が空戦魔導士科長であるフロン・フラメルに届く。

今回はこの二つの話がメイン。
シリアスな展開が多かったけど、ブレアちゃんの空気を読まない言動が面白かったです。でも、ブレアちゃんが貧乳じゃなかったのは残念です。


ブレアちゃんの歓迎会にリコが遅れている理由を、ユーリが尋ねる。
レクティによると、一緒に行こうと誘ったが、更衣室の姿見の前で自分に魅入っており、「孤高の女神は群れることは好まない」と断られてしまったとのこと。
小隊間に微妙な空気が流れ始めるも、空気を読まないブレアちゃんは「そもそも、なぜリコは女神を自称してるのか」と誰もが思ってはいたが、誰も聞けずにいた疑問を口にする。

この疑問に対するみんなのシンクロした返答(心の声)が、一番面白かったです。
女神を自称するキャラとかどう考えても頭おかしいんですけど、小隊では誰もリコにそのことに対して笑ったり、馬鹿にしたりしてないんですよね。
E601小隊の、リコが女神と言っていても否定せずに黙認してくれる優しさは見ていて微笑ましいです。

リコが何故女神を自称するのかその理由は過去にあった……
まぁ、ただのシスコンだったわけですが。
もし、リコが、姉からも認められ、自分の弱さを素直に認めることができた時には、女神を自称することはなくなるかもしれないですね。
そして、女神と自称していた時期は黒歴史となり、そのことを思い出しては、寝る前に枕に顔を埋めて足をバタバタするんですね。分かります。


威力偵察あり、殲滅戦あり、撤退戦ありと戦闘シーンもバリエーション豊かで面白かったです。
威力偵察をして敵の戦力を分析し、作戦立案をするという流れがいいですね。
当たり前ですが、S128特務小隊の連携は、E601小隊とはレベルが違いました。
E601小隊が未完成のチームならば、S128小隊は成熟したチームという感じですね。
様々なパターンを想定して何度も訓練することはもちろんですが、お互いがお互いのことを理解しあっていないとできないであろう戦闘シーンは、見ごたえがありました。
しかも、たとえ負け戦であっても、諦めたり自暴自棄になることなく、何を護るべきか何を犠牲にするべきか、冷静に判断して行動する姿は燃えますね。
作者さんが三巻あとがきでも言っておられましたが、戦闘シーンを見ているとガンダム好きってのがよく分かります。
戦闘シーンならこの4巻が一番好きですね、


今までは「魔甲蟲」対「人類」という構図でしたけど、今後はちょっとややこしくなりそうな予感。
新キャラも怪しい感じですけど、教皇浮遊都市ってのも名前からしてひと騒動起こしそうな感じです。