睡眠欲と読書欲の狭間で

ライトノベルの感想なんかを書いてます

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(11) ネタバレあり

八幡の言う本物とは
7巻でゆきのんが「あなたのやり方、嫌いだわ」って言ったり、12巻で由比ヶ浜が「あたしらしいって、なんだろうね?」と独り言のように言ってみたりすることかな。
他人に面と向かって嫌いと言ったり、自分のキャラを否定したりすることってすごく勇気がいることだと思う。
仲が良ければ良い分だけ・・・その関係性を壊したくないし、本音は自分の心の中にしまって、相手の言うことを許容してしまいがち。

葉山グループは変わらないことを望んでいるし、仲の良い関係性を維持しようと腐心している。葉山もあーしさんも海老名さんも戸部も、自分に与えられた役割を演じているんだと思う。
戸部が馬鹿なことやって、海老名さんが腐ってて、あーしさんが海老名さんに「擬態しろし」って言って、由比ヶ浜がみんなのフォローをし、問題が起きれば葉山が解決する。
きっと誰一人欠けても、この関係性は崩壊してしまうだろう。特にあーしさんと由比ヶ浜と葉山。まあ、あーしさんは姉御肌みたいだし、海老名さんをグループから放り出すことはしないだろう。
あ、戸部はいくらでも代わりがきくので、いなくてもいいです。

こういうことは、受験をそこまで意識せずに済む高校二年生のこの瞬間しか出来ないと思うし、葉山グループもそれを十分わかってるはず。
八幡の言う本物とは違うかもしれないし、高校を卒業したらみんなバラバラになってしまうかもしれない。
でも、きっとこれが彼らの青春で、それが間違っているだなんて誰にも言う資格なんてない。


雪ノ下陽乃
陽乃は、八幡とゆきのんが本物の関係になってほしいと思っているんだと思う。
陽乃は本物を手に入れることができなかったから、ゆきのんには本物を手に入れてほしいと思っているんじゃないかな。
陽乃は雪ノ下家の跡を継ぐだろうから、好き勝手に生きることはできないだろうけど、ゆきのんは違う。ゆきのんには誰かに言われるままに生きるのではなく、自分の意思でどう生きるか決めてほしいんじゃないかな。
ゆきのんが母のんと対決するなら、強力な味方になってくれる・・・と思いたい。


由比ヶ浜
彼女の最後の提案は、『八幡が泣きながら「本物が欲しい」と言ったけど、誰もその本物がなにか知らなくて、それでも雪ノ下がその依頼を受けると言い、由比ヶ浜が「あたしも、手伝う」と言った』その本物の否定だ。
きっと由比ヶ浜なら、八幡とゆきのんの間にうまく入ってこのままの関係を続けていくことも可能だろう。それは、本物ではないかもしれないけれど、きっと楽しくて優しい関係だと思う。
由比ヶ浜は「もしお互いの思ってることがわかったら、このままの関係ではいられない」と言う。これは三角関係のことを言っているのかな。
誰かと誰かがくっ付いたら、これまでの三人の関係とは違った関係になるだろうね。
これは・・・唯雪ルートかな・・・あると思います!八幡はポイーで。

由比ヶ浜は、八幡が「同情で優しくしてるならやめろ」と言い、由比ヶ浜が「そんなんじゃない・・・」と返して、涙目で睨みながら「・・・バカ」と言い残して去っていくシーン(二巻ラスト)とか、五巻の花火の最後のシーンとかが好きです。
俺ガイルの切ないシーンはすごくいい。


まとめ
いよいよ物語も佳境に入っていくみたい。次巻は、ラブコメ部分が動き出すんでしょうか。
きっとあの娘が選ばれるんだろうけど、選ばれない娘のこと考えるとつらい。