睡眠欲と読書欲の狭間で

ライトノベルの感想なんかを書いてます

瑠璃色にボケた日常(4) (終)

瑠璃色にボケた日常 4<瑠璃色にボケた日常> (MF文庫J)

四巻で最終巻の本作。霊とお笑いという異色の組み合わせの話でしたが、設定はとても面白かったです。
キャラクターでは瑠璃が好きです。最後まで掴みどころのないキャラでしたが、巻を追うごとに主人公への信頼を深めていく瑠璃にニヤニヤできました。

以下、ネタバレあり感想

 巻を追うごとに展開はライトなものになっていき、4巻の読後感はよかったです。
タイトルとキャラデザからは想像できないような展開でしたし、日常系を期待していた読者も多かったと思います。
しかし、私としては一巻、二巻のような重くて救われない物語で続けていってほしかったです。売れないかもしれないですけど・・・

「幽霊」=「死人」であって、「死」というのは間違いなく悲劇です。そして、「死」をメインテーマに据えている以上、全てが救われるなんてありえないです。
瑠璃の父は成仏しましたが、瑠璃父が彼女を庇って死んだ事実は変わらないです。そして、彼女がそのことを忘れることはないでしょう。
しかし、どんなに後悔しても自分を責めても何も変わらないし、父は彼女にそんなことをしてほしくて助けたわけではないはずです。
そこで、彼女が考えて考えて出した答えが、周囲に笑いを与える「お笑い」でした。
老人ホームでの漫才、刑務所での漫才、三塚昂大に向けての漫才。
瑠璃は、笑いから離れた場所にいる人たちを、少しでも笑わせたいという想いから、これらのステージを選んだのだと思います。(実現していない漫才もありますが・・・)

キャラクター
瑠璃可愛いですね。
二巻では、鴫原家道場に入り浸る主人公に瑠璃が不平を言ったり、そのことを謝る主人公に「私には、君が必要なんだよ」と言ったり・・・
四巻ではネタ帳に、二巻で主人公が言っていた「有働は俺が貰っちまうぞ!」というセリフが記録されてるのが分かったりしましたし。
抱っこを要求したり、孝巳くんと名前で呼んでみたりと、ニヤニヤしてしまいます。
しかも、突然そういうことをするので、まるで気まぐれな子猫のようです。

 

途中の巻からかなり下ネタが多くなっていった本作。嫌いではないですけど、やはりネタ切れ気味だったんでしょうか・・・そんな次から次に面白いネタが出てくるわけがないですから、しょうがないとは思います。

現在この作者さんは違う作品を書いてるみたいですね。機会があれば、そちらも読んでみたいです。