睡眠欲と読書欲の狭間で

ライトノベルの感想なんかを書いてます

空戦魔導士候補生の教官(5) 感想

《ベベル》にて空戦武踏祭(エリアルソード)開催が決定し、《ミストガン》代表小隊を決める学内選抜戦が開催される。
カナタは学内選抜戦出場には否定的だが、ミソラたちの熱意に負けて学内選抜戦出場を許可する。
ミソラたちが学内選抜戦に出場すると聞き、クロエが教官補佐を名乗り出る。


今回はクロエがかわいかったです。
ミソラたちには甘えてみようとは思いませんが、クロエにはちょっと甘えてみたいです。
クロエはいつどんなときでもカナタの味方でしたし、今後もそれは変わらないと思います。包容力があると言うか、母性を感じさせるキャラですね。
カナタを教官に推薦したりもしましたし、おそらく、カナタが特務小隊から除名されていないのも、クロエの尽力によるところが大きいのだと思います。
単なる幼馴染という関係以上に心が通じ合っており、個人的にはクロエが正ヒロインでいいじゃんとも思いました。

二人っきりになったシーンで、クロエはカナタを抱きしめ、「あのとき」のことを後悔してる打ち明ける。
カナタは「あれはエースで前衛だった俺の役割で、お前が気に病むことじゃない」とあの時の判断は間違ってなかったと説得する。
クロエは「(たとえあの時の判断が正しかったとしても)私はカナタを護れなかった。そのことが原因でカナタは……」
切なそうに貌を上げるクロエ。
それに対してカナタは「ひと休みしたら、調子戻せよ。特務小隊の隊長は《ミストガン》の象徴で、泣き出す姿なんて赦されないぜ」と優しく諭す。

カナタの最後の一言は明らかに選択ミスですよね?
1.キスする 2.無言で抱きしめ返す 3.「特務小隊の隊長なんだからしっかりしろ」と優しく諭す
エロゲならこの後……ってシーンですし、もったいな……フラグの折れる音が聞こえた気がします。
特務小隊の隊長だって……いや、特務小隊の隊長だからこそ、二人きりの時くらい甘えさせてあげてほしいです。
カナタは世界の敵となる存在かもしれないので、あまり巻き込みたくないという想いから周囲と距離を取っているのかなとは推測できますが……


物語もいよいよ佳境に入りシリアス展開がしばらく続きそうです。
今回の内容から推測すると《ベベル》はかなり絶望的な状況に思えますが、大丈夫なんですかね。

空戦魔導士候補生の教官(4) 感想

ランキング戦の試合で珍しくミスをするリコ。試合にも負けてしまい、その後の反省会では、言い訳をするでも誰のせいにするでもなく、小隊間に気まずい空気が流れる。
一方、教皇浮遊都市《べベル》から「最新鋭の大型飛行艇が《ミストガン》の予定航路付近で消息を絶ったので調査してほしい」という「特Aランク」の指令書が空戦魔導士科長であるフロン・フラメルに届く。

今回はこの二つの話がメイン。
シリアスな展開が多かったけど、ブレアちゃんの空気を読まない言動が面白かったです。でも、ブレアちゃんが貧乳じゃなかったのは残念です。


ブレアちゃんの歓迎会にリコが遅れている理由を、ユーリが尋ねる。
レクティによると、一緒に行こうと誘ったが、更衣室の姿見の前で自分に魅入っており、「孤高の女神は群れることは好まない」と断られてしまったとのこと。
小隊間に微妙な空気が流れ始めるも、空気を読まないブレアちゃんは「そもそも、なぜリコは女神を自称してるのか」と誰もが思ってはいたが、誰も聞けずにいた疑問を口にする。

この疑問に対するみんなのシンクロした返答(心の声)が、一番面白かったです。
女神を自称するキャラとかどう考えても頭おかしいんですけど、小隊では誰もリコにそのことに対して笑ったり、馬鹿にしたりしてないんですよね。
E601小隊の、リコが女神と言っていても否定せずに黙認してくれる優しさは見ていて微笑ましいです。

リコが何故女神を自称するのかその理由は過去にあった……
まぁ、ただのシスコンだったわけですが。
もし、リコが、姉からも認められ、自分の弱さを素直に認めることができた時には、女神を自称することはなくなるかもしれないですね。
そして、女神と自称していた時期は黒歴史となり、そのことを思い出しては、寝る前に枕に顔を埋めて足をバタバタするんですね。分かります。


威力偵察あり、殲滅戦あり、撤退戦ありと戦闘シーンもバリエーション豊かで面白かったです。
威力偵察をして敵の戦力を分析し、作戦立案をするという流れがいいですね。
当たり前ですが、S128特務小隊の連携は、E601小隊とはレベルが違いました。
E601小隊が未完成のチームならば、S128小隊は成熟したチームという感じですね。
様々なパターンを想定して何度も訓練することはもちろんですが、お互いがお互いのことを理解しあっていないとできないであろう戦闘シーンは、見ごたえがありました。
しかも、たとえ負け戦であっても、諦めたり自暴自棄になることなく、何を護るべきか何を犠牲にするべきか、冷静に判断して行動する姿は燃えますね。
作者さんが三巻あとがきでも言っておられましたが、戦闘シーンを見ているとガンダム好きってのがよく分かります。
戦闘シーンならこの4巻が一番好きですね、


今までは「魔甲蟲」対「人類」という構図でしたけど、今後はちょっとややこしくなりそうな予感。
新キャラも怪しい感じですけど、教皇浮遊都市ってのも名前からしてひと騒動起こしそうな感じです。

空戦魔導士候補生の教官(3) 感想

空戦魔導士候補生の教官3
みんなで演劇をしたり、男装したユーリがリコとベストカップルコンテストに出場したり、レクティが頑張ったりする話。
交流戦とその前夜祭がメインなので、あまり魔甲蟲の話は出てこない。
そのため、一、二巻と比べて明るめの話&ラブコメ成分多めの巻。
私は、この三巻が今までの中で一番好き。単にラブコメが好きなだけなんだけど・・・

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空戦魔導士候補生の教官(2) 感想

空戦魔導士候補生の教官2
カナタが教官になっても連敗が止まらず、第一クォーターは終了。
その結果を受けて、カナタは上司に更迭を言い渡される。
クビ宣告されたカナタは、ユーリが赴任する小隊(Bランク)と勝負することを提案する。
もし、負けたら教官は辞めるが、逆なら、ユーリはE601小隊に入ってもらうと上司に承諾させる。
「誰が十二連敗しているFランク小隊に負けたりしますか!」と自らフラグを立てるユーリ。
そんな中、学園都市では近接系武器を持つ実力者ばかりが襲われる連続傷害事件が起きていた・・・


ユーリは、一巻ではサブヒロイン的な扱いでしたが、二巻ではめでたくサブヒロインから脱却しました。
彼女はカナタに裏切られたと感じていたんですが、二巻でようやくカナタが何故裏切るような真似をしたのか少し理解した様子。
その結果、憎しみすら抱いていた感情ゲージが一気に反転し、先輩大好きっ娘になってしまいましたね。
ユーリは魅力的なチョロインなので、今後の活躍に期待したいです。

前回は個人の特訓の話でしたが、今回はチームワークの特訓でした。
リコは、自分のことしか考えてないと思っていましたが、意外とチームメートのことをよく見ていたみたいです。
ミソラではなくて、リコがリーダーをしても面白いかもしれないですね。
今回は、容姿ではなく性格をほめられたリコが珍しく赤面するシーンがよかったです。

一巻は主人公の言動にイライラさせられるところがありましたが、今回はそこまでイライラさせられることはなかったです。
しかし、エピローグでのユーリの告白を勘違いする辺り、彼もまた鈍感主人公の一人なんでしょう。
主人公の察しが良かったら物語がすぐ終わっちゃいますから、しょうがないんですけどね。

空戦魔導士候補生の教官(1) 感想

空戦魔導士候補生の教官1
アニメを見て原作を買いました。
自称女神の生まれ変わりであるリコ・フラメルのキャラがいいですね。
3人のヒロインたちが思春期真っ盛りの14歳ということもあり、性格にやや問題があるように感じますが、今後どう成長するのか楽しみでもあります。
文章は気になる部分も一部ありましたが、全体的にはそれほど気にはなりませんでした。
ただ、主人公の口癖である「ん?言わなかったか?」が気になりました。明らかに言ってないので、ちょっとイラッとします。
わざと言ってなかったのか、それとも、コミュ障にありがちな自分は伝えたつもりだけど相手には伝わってなかったというアレなのかは知らないですが・・・

私は中二病的な話もキャラも好きなので、二巻も買う予定。
しかし、中二病が嫌いな人は合わないと思います。
ストーリーは、まだ一巻だけしか読んでませんが、あまり期待できないような印象です。
ヒロインが気に入りそうなら買ってもいいと思いますが、面白いので絶対読むべき!とは口が裂けても言えないような作品です。

「落ちこぼれ生徒の面倒を見なくちゃならなくなったけど、引き受けた以上はちゃんと やるか・・・
 ちっ、こんな時に敵かよ。やれやれ、俺がやるしかねえか・・・この力はあまり使い たくないんだがな・・・」
どこかで見たようなテンプレ展開は安心感がありますし、そんなに難しくない話と設定のおかげで物語に没入できるのがいいです。
分かりにくい会話や難しい話は、その度にいろいろ考えないといけないですからね。
こういう小説が今後も出てきてくれるとありがたいです。

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(5) 感想

今回は表紙にもなっているリューさんが活躍するお話。
過去話やサービスシーンもありリューさん好きは必見。私もこの巻でリューさんのことが好きになった。


以下ネタバレあり

 


今回は後半の大規模戦闘が一番の見どころ。
ゴライアスに致命的なダメージを与えたキャラは数名なんだけど、それ以外の取り巻きの敵モンスターを倒す役や魔術師の盾役等、メインキャラクター以外のキャラも丁寧に描写されているので全員で、協力して戦った感があった。

 


リューさんの過去話は救われない話だった。里にはもう帰れないし、ブラックリストにも載り友達もほとんどいない。リューさんはもっとダンジョンに潜ってほしいけど・・・主神をヘスティアに変えるって言うのは無理なのかな?ブラックリストにも載ってるし、ヘスティアも反対するだろうから難しいんだろうけど、このまま酒場の店員を続けるのは惜しいと思う。

やはりエルフはいい・・・エルフの魅力というのは美しさももちろんだが、その内面にあると思う。プライドが高く、高慢で、他者(特に他種族)とあまり交わろうとせず、潔癖で・・・はっきり言って、性格悪い種族。
それだけに仲間になった時はすごく心強い。なんていうか、姫騎士に通じるものがある。何が言いたいかって言うと、プライドが高い女性って、ちょろデレるとすごくかわいいよね!
リューさんは、自分がベルを好きだということにいつか気づいて、シルとの板挟みに悩むんだろうね。今から楽しみだわ。

 

 

ほとんどリューさんのことしか書かなかったけど、満身創痍で18階層を目指すエピソードもよかった。
次巻は地上での話がメインになるみたい。「ダンまち」は魅力的なキャラクターが多いので、戦闘シーン以外も面白いのがいい。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(11) ネタバレあり

八幡の言う本物とは
7巻でゆきのんが「あなたのやり方、嫌いだわ」って言ったり、12巻で由比ヶ浜が「あたしらしいって、なんだろうね?」と独り言のように言ってみたりすることかな。
他人に面と向かって嫌いと言ったり、自分のキャラを否定したりすることってすごく勇気がいることだと思う。
仲が良ければ良い分だけ・・・その関係性を壊したくないし、本音は自分の心の中にしまって、相手の言うことを許容してしまいがち。

葉山グループは変わらないことを望んでいるし、仲の良い関係性を維持しようと腐心している。葉山もあーしさんも海老名さんも戸部も、自分に与えられた役割を演じているんだと思う。
戸部が馬鹿なことやって、海老名さんが腐ってて、あーしさんが海老名さんに「擬態しろし」って言って、由比ヶ浜がみんなのフォローをし、問題が起きれば葉山が解決する。
きっと誰一人欠けても、この関係性は崩壊してしまうだろう。特にあーしさんと由比ヶ浜と葉山。まあ、あーしさんは姉御肌みたいだし、海老名さんをグループから放り出すことはしないだろう。
あ、戸部はいくらでも代わりがきくので、いなくてもいいです。

こういうことは、受験をそこまで意識せずに済む高校二年生のこの瞬間しか出来ないと思うし、葉山グループもそれを十分わかってるはず。
八幡の言う本物とは違うかもしれないし、高校を卒業したらみんなバラバラになってしまうかもしれない。
でも、きっとこれが彼らの青春で、それが間違っているだなんて誰にも言う資格なんてない。


雪ノ下陽乃
陽乃は、八幡とゆきのんが本物の関係になってほしいと思っているんだと思う。
陽乃は本物を手に入れることができなかったから、ゆきのんには本物を手に入れてほしいと思っているんじゃないかな。
陽乃は雪ノ下家の跡を継ぐだろうから、好き勝手に生きることはできないだろうけど、ゆきのんは違う。ゆきのんには誰かに言われるままに生きるのではなく、自分の意思でどう生きるか決めてほしいんじゃないかな。
ゆきのんが母のんと対決するなら、強力な味方になってくれる・・・と思いたい。


由比ヶ浜
彼女の最後の提案は、『八幡が泣きながら「本物が欲しい」と言ったけど、誰もその本物がなにか知らなくて、それでも雪ノ下がその依頼を受けると言い、由比ヶ浜が「あたしも、手伝う」と言った』その本物の否定だ。
きっと由比ヶ浜なら、八幡とゆきのんの間にうまく入ってこのままの関係を続けていくことも可能だろう。それは、本物ではないかもしれないけれど、きっと楽しくて優しい関係だと思う。
由比ヶ浜は「もしお互いの思ってることがわかったら、このままの関係ではいられない」と言う。これは三角関係のことを言っているのかな。
誰かと誰かがくっ付いたら、これまでの三人の関係とは違った関係になるだろうね。
これは・・・唯雪ルートかな・・・あると思います!八幡はポイーで。

由比ヶ浜は、八幡が「同情で優しくしてるならやめろ」と言い、由比ヶ浜が「そんなんじゃない・・・」と返して、涙目で睨みながら「・・・バカ」と言い残して去っていくシーン(二巻ラスト)とか、五巻の花火の最後のシーンとかが好きです。
俺ガイルの切ないシーンはすごくいい。


まとめ
いよいよ物語も佳境に入っていくみたい。次巻は、ラブコメ部分が動き出すんでしょうか。
きっとあの娘が選ばれるんだろうけど、選ばれない娘のこと考えるとつらい。